第1条(目的)
本サービスレベルアグリーメント(以下「SLA」という)は、デジタルヒューマン株式会社(以下「当社」という)が提供するサービス品質保証について定めるものとします。
第2条 (用語の定義)
SLAにおいては、次の用語はそれぞれ次の意味で使用します。
- 申込者:当社に本サービスの提供を申し込む法人ないし機関等
- カスタマー:利用契約を当社と締結し、本サービスの提供を受ける法人や機関等
- 管理者:カスタマーがその責任と裁量において指名する本サービスのカスタマー画面にて管理・設定権限を有する者
- エンドユーザー:本サービスを通じてカスタマーから製品やサービスの提供を受ける第三者
- ログインID:管理者が本サービスのログインに用いるEメールアドレスまたはEメールアドレス形式で作られた文字列
- プラットフォーム:本サービスのために当社がカスタマーへ提供するソフトウェアプログラム、ドキュメント(開発者向けドキュメントを含みます。)、API、SDKの総称
- デジタルヒューマン:本サービス内で稼働する人間を模したキャラクター
- DH-Conversation:デジタルヒューマンサービスに接続して利用できる当社が提供する会話エンジン
ダウンタイム
ダウンタイムとは、エンドユーザーがデジタルヒューマンとの会話が正常に行えない(プラットフォームの障害)期間を意味します。これには、メンテナンスと、当社ならびにUneeQ,Inc.(UneeQ LimitedとUneeQ Australia Pty Ltdを含む関係会社)が合理的にコントロールできない障害は含まれません。合理的にコントロールできない障害には以下のようなものがあります。
- 当社サービスの契約期間終了等によるアクセス不可
- 当社が設定するセッション数制限、同時接続制限、流量制限やアクセス制限によるサービス提供の制限
- カスタマーが利用するシステムの基盤、独自に開発や設置したWEBサイトやビューに起因する問題
- カスタマーの設定ミスや、エンドユーザー環境に起因する問題
- デジタルヒューマンサービスと接続しているチャットボットや会話側AI、NLP、音声認識、合成音声等のサードパーティーに起因する問題
- プラットフォーム基盤として利用しているクラウドサービス(別途資料で公開)で発生した障害
- サポートされていないOS・ブラウザを使用した場合
- エンドユーザーが利用するネットワーク、端末のマイク・スピーカー・Webカメラ・ディスプレイ・CPU・メモリ、インストールされているソフトウェア、ブラウザ、アドオン、セキュリティ、設定等の不適合または影響による一時的な性能低下
- 天災やテロ、戦争、その他非常事態の発生に伴うサービスの停止
- 当社にとって不可抗力である事象により問題が発生した場合
サービスの低下
エンドユーザーがデジタルヒューマンと会話が出来るが、音質や画質のあきらかな劣化の継続やノイズ等の発生で、当社プラットフォームにおいて不完全な動作が発生している状態
インシデント
当社サービスがシステムの不具合や事故などにより中断または阻害され、サービスの質や利便性が著しく損なわれている状況、またはそれに至りかねない状況
第3条 (SLAの適用範囲)
当社が提供するサービス(以下「当社サービス」という。)における対象のプランにのみ適用されます。全てのサービスと全てのプランに適用されるわけではありません。別途当社と当社サービスに関わるSLAを締結している場合において、本SLAと競合する項目は個別に契約したSLAが優先されます。
サービス | 対象プラン | 概要 |
---|---|---|
デジタルヒューマン サービス | プロプラン・エンタープライズプラン | 対話型AIアバターサービスにおけるキャラクタのアニメーション、背景、音声認識、合成音声、外部のチャットボットや会話AIと接続ポイントとなるAPIを含む対話で利用する入出力の機能。オプションとして提供される録音、録画、認識、解析、外部から制御を行うAPIの動作は対象外です。 |
DH-Conversation | プロプラン・エンタープライズプラン | デジタルヒューマンサービスにAPI接続された会話を制御するシステムで、エンドユーザーからメッセージが送信された際に、回答を返信するサービス。API等を利用して外部のサービスを利用する場合の外部サービスはSLA対象外です。 |
フリートライアル、スタータープランはSLA対象外です。エンタープライズプランはSLAをカスタマイズ可能です。別途、個別契約にて対応します。
第4条 (提供するサービスレベル)
サービス提供時間帯
当社サービス提供時間帯は以下の通りとする。
サービス | 概要 |
---|---|
デジタルヒューマン サービス | 24時間365日(メンテナンス時間を除く) |
DH-Conversation | 24時間365日(メンテナンス時間を除く) |
問い合わせサポート | 平日 09:00-17:00 (祝日・年末年始・夏季休業・当社指定休業期間を除く) |
サービス稼働率
本SLAでは、ベストエフォート(最善努力)型のサービスレベルとして以下の月間稼働率の目標値を定めます。サービス稼働率の目標値は実際のサービス稼働率を保証するものではありませんが、サービス稼働率の実績値が目標値を下回った場合には、当社は速やかに改善策を講じ再発の防止を行います。
月間稼働率・・・1ヶ月間の合計分数(対象月の日数 × 24時間 × 60分)から、相当な割合のエンドユーザーに影響を与えたダウンタイムの分数を差し引いたものを、1ヶ月間の合計分数で割ったものを意味します。
サービス | 概要 |
---|---|
デジタルヒューマン サービス | 月間稼働率99.9%以上(メンテナンスによる停止時間を除く) |
DH-Conversation | 月間稼働率99.9%以上(メンテナンスによる停止時間を除く) |
各サービスが稼働している状態は以下のように定義する。
サービス | サービスが稼働している状態の定義 |
---|---|
デジタルヒューマン サービス | 接続ポイントURLへのヘルスチェックに対して正常な応答を返している状態で、サービスの低下が発生していない。 (メンテナンス、合理的にコントロールできない障害は除きます) |
DH-Conversation | 接続ポイントURLへのヘルスチェックに対して正常な応答を返している状態。サービスの低下が発生していない。 (メンテナンス、合理的にコントロールできない障害は除きます) |
応答時間
本SLAでは、ベストエフォート(最善努力)型のサービスレベルとして以下の応答時間の目標値を定める。応答時間の実績値が目標値を下回った場合には、当社は速やかに改善策を講じ再発の防止を行う。
サービス | 応答時間の考え方 | 応答時間目標値 (95%のメッセージに対して) |
---|---|---|
デジタルヒューマン サービス | デジタルヒューマンサービスにおいて、接続されるチャットボットや対話型AIによって応答時間は変わるためエンドユーザーからの発話からデジタルヒューマンが応答するまでの時間は保証できません。SLAにおいてはデジタルヒューマンのセッション開始時に、チャットボットへ1件目のメッセージを送信完了するまでの時間を応答時間と設定します。 | 3秒以内 |
DH-Conversation | DH-Conversationの応答時間の目標値は、受信したメッセージの95%に対して目標値を満たすことを目指します。 | 「AIによって自動で応答を返す機能」が無効の場合 : 3秒以内 「AIによって自動で応答を返す機能」が有効の場合 : 10秒以内 |
例外
- アルファまたはベータに指定されたバージョンおよび機能(主に開発中の機能)
- SLAから明示的に除外されたバージョンおよび機能
- 評価検証用として利用しているサービスやバージョンおよび機能
- 契約外に当社が提供したサービスやバージョンおよび機能
- 利用規約の違反に起因する障害や問題
- オプションとして提供される録音、録画、認識、解析、外部から制御を行うAPI
- 音声認識の精度や変換能力、合成音声の声色をはじめとする品質、会話への回答内容や、デジタルヒューマンのキャラクターデザイン、表情、動作、微妙なずれなどの品質
第5条(復旧対応)
当社は、当社サービス監視システムで異常を検知した場合、あるいはカスタマーから報告されたインシデントの重要度に応じて指定された時間内に対応します。解決するまでの間、指定された時間以上の間隔でインシデントに関する最新情報を受け取ることができます。
重大度 | 定義 | 承認 | 更新頻度 | 解決目標 |
---|---|---|---|---|
1 | エンドユーザーのかなりの割合に影響を与えるダウンタイム、または、セキュリティ、規制、または評判のリスクを大幅に引き起こす問題。 | 1時間以内 | 2時間ごと | 4時間以内 |
2 | エンドユーザーのかなりの割合に影響を与えるサービスの低下 | 2時間以内 | 4時間ごと | 24時間以内 |
3 | 少数のエンドユーザーに影響を与えるダウンタイムまたはサービスの低下 | 24時間以内 | 2日に1度 | 72時間以内 |
第6条(インシデントデスク)
当社はプラットフォームに影響を与えるインシデントおよびダウンタイムを報告するために使用できるインシデントデスクを提供します。
サービス時間
このインシデントデスクは、利用契約の期間中、カスタマーが24時間365日いつでも連絡できるようになっています。
連絡方法
インシデントデスクへの連絡方法の詳細はカスタマーに個別に通知します。主に下記の手段を準備しています。
- 専用フォーム
第7条(メンテナンス)
当社は予定された時間帯に、サービス停止を伴う計画メンテナンス作業を行う場合があります。 計画メンテナンスには後述する定期メンテナンスとリリースメンテナンスの2種類があります。計画メンテナンスによるサービス停止時間は稼働率の定義には含めません。 計画メンテナンスに該当しないサービス停止時間はダウンタイムとして扱います。
定期メンテナンス
当社は定期的なメンテナンス作業として、毎週火曜日の06:00-08:00の時間帯の中で、最大10分以内のサービス停止を伴う作業を行う可能性があります。 この定期メンテナンス作業については、作業を実施する時間帯やサービス停止時間の変更が無い限りは利用者に対する個別の通知は行いません。サービス停止前から開始されているセッションとサービス停止時間中に送信されたメッセージは破棄されます。
計画メンテナンス
新機能のリリースなど、定期メンテナンスの停止時間内には収まらないサービス停止や、定期メンテナンスの時間外でのサービス停止を伴う計画的なメンテナンス作業が必要となった場合、当社は利用者に対して、原則作業実施日の10暦日までに、利用者に対してメンテナンスの予定を通知します。 ただし、セキュリティ問題の修正など当社が緊急と判断した場合は、作業実施日の前日までに通知した上でメンテナンスを行う場合があります。 サービス停止前から開始されているセッションとサービス停止時間中に送信されたメッセージは破棄されます。
第8条(サービスクレジット)
クレジットの権利
当社サービスが第4条 サービス稼働率を満たしておらず、速やかに改善策を講じ再発の防止を行う事ができなかったと当社が認めた場合、カスタマーは以下の表に従って、当社へ支払うべき将来の金額に対してクレジットを受け取ることができます。翌月以降のサービス利用料の請求額に対して、クレジット分をお支払い済み額として充当します。なお、年払い時には年間の金額を12ヶ月で除した金額(小数点以下切り捨て)を月間請求額として計算します。
月間稼働率 | 月間請求額に対する割合 |
---|---|
95.0%以上99.0%未満 | 10% |
95.0%未満 | 20% |
請求
クレジットを受け取るためには、クレジットを受け取ることができるようになった時点から30日以内に当社へ通知する必要があります。サービス稼働率に関して紛争が発生した場合、システムログ、監視レポート、設定記録などに基づいて誠意を持って判断します。
唯一の措置
サービスクレジットは、SLAを満たすことができなかった場合の唯一の措置であり、これ以外の方法はありません。
除外事項
翌月以降の請求額が無い場合は、クレジットとして充当できません。また、クレジットとして充当する以外の方法(返金等)での対応は出来ません。年払いでご契約頂いている場合は、追加セッション請求額への充当とさせて頂きます。
第9条(SLAの変更)
当社は必要に応じて随時SLAの内容を変更する場合があります。SLAを変更する場合は、当社は利用者に対してその変更内容および変更日を、当該変更日の10日前までに当社所定の連絡方法のいずれかにより通知します。
改訂履歴
2020年07月01日 制定
2020年07月01日 適用